文部科学省の調査によると、定員割れの大学が増加傾向にあるということと私立大学では総合型(旧AO)・学校推薦型で入学する割合が“6割台”に達しています(Between情報サイト)。
さらに、総合型選抜の割合は前年度比で増加傾向にあり、入試の構造自体が大きく変わりつつあります。
また、令和5年度の実態資料(文部科学省)では、大学の設置主体別でも総合型・推薦入試の比重が顕著に高いことが示されています。
分野別の変遷分析(東京大学UMP調査)によれば、家政・芸術・社会系ではAO・推薦の比率が高く、医学系など一部のみが筆記中心。
つまり、「点数一本」では進路選択の幅が狭まる時代に入っています。
日本赤十字社の高校生調査では、孤独感の高まりや“新しい人間関係づくりへの不安”が報告されています(コロナ禍で顕著)。
また、内閣府「人々のつながり」基礎調査(令和5年)によると、若年層ほど他者との関係性が希薄化し、孤立傾向が強まっていることが明らかにされています。
さらに、J-STAGEで発表された複数の大学研究では、「対面会話への不安」や「自己開示困難」といった課題が数値化され、“対話力の低下”が社会的課題として浮き彫りになっています。
世界経済フォーラム(World Economic Forum)のFuture of Jobs 2023/2025では、
今後最も重要になるスキルとして、
分析的思考
創造的思考
リーダーシップ/社会的影響力
学び続ける力(Resilience)
が上位に挙げられています。
OECDのEducation 2030プロジェクトも、教育の核として
“Student Agency(主体性・共創する力)”
を掲げ、知識 × スキル × 価値観の統合的育成を提唱しています。
さらにマッキンゼー・アンド・カンパニーは、2030年までに社会的・情動的スキルの需要が大幅に増加し、
AIで代替できない領域(協働・共感・創造・倫理判断)が伸びると予測しています。
これからの日本社会は、急速に多文化・多言語化が進みます。
英語を話せることはもちろんですが、真に必要なのは——
“自分の考えを相手に伝え、異なる価値観を尊重しながら共に考える力”。
海外留学や国際学会、企業の国際部門など、英語で考え・伝える力が求められる場は急増。
英語で探究・発表できる生徒は、総合型選抜や推薦入試でも高く評価される傾向にあります。
AIが翻訳できても、「人間の意志をもって語る英語」は代替不可能。
| 比較観点 | 一般的な塾 | 英会話・探究型学習 |
|---|---|---|
| 目的 | 知識定着・受験対策 | 対話力・表現力・発信力の育成 |
| 成果 | テスト点数の向上 | 実践力・国際対応力・自己肯定感の向上 |
| 評価される入試 | 一般入試中心 | 総合型・推薦・面接型入試で強みを発揮 |
| 将来性 | 知識が古くなるリスクが高い | 人的スキル・言語力は一生使える資産 |
英語の歌や物語、簡単な会話を通じて「話すこと=楽しい」体験を重ねる。
地域や外国の人と交流する機会をつくる(英語を“通じるツール”として使う)。
自然・アート・遊び × 英語表現で感性と対話力を同時に育てる。
意見を英語で言う練習(ディスカッション・プレゼン・日常英会話)。
英語での探究学習やスピーチコンテストに挑戦。
教科塾ではなく、英語で考える力を伸ばす場へ。
英語での面接・志望理由書・自己表現が入試でも必須に。※
留学・国際ボランティア・オンライン交流で実戦的経験を積む。
英語で“自分の正しさ”を伝え、他者の意見を尊重して議論できる力を確立する。
なぜ英語での自己表現が重視されるのか理由は単純で、「知識よりも思考・発信の力」を測る入試へと変化しているためです。
大学側の狙い:
「英語ができる学生」より、「英語で考え・議論できる学生」を採りたい。
社会の変化:
企業・国際機関・大学院では、英語でのプレゼン・交渉・研究発表が日常化。
教育改革の方向:
文科省が推進する「探究×英語」型学習(Inquiry in English)と整合。
今後の見通し
| 大学・制度 | 英語使用の形態 | 備考 |
|---|---|---|
| 国際教養大学(AIU) | 面接・エッセイの一部または全て英語 | 思考力・表現力を英語で評価。国内最初期の「全英語入試」導入校 |
| 上智大学(国際教養・外国語・総合グローバル学部) | 面接・志望理由書を英語で提出 | 書類・口頭ともに英語での発信力を重視 |
| 早稲田大学 国際教養学部(SILS) | 英語志望理由書+面接(英語・日本語併用) | 海外大併願・帰国生にも対応、授業も全英語 |
| 立命館大学 グローバル教養学部(GLA) | 英語面接・英語エッセイ必須 | モナッシュ大学(豪)との共同学位プログラム |
| 東京大学 PEAK(Programs in English at Komaba) | 出願書類・面接ともに英語 | 入学後も授業・研究全て英語で実施 |
| 慶應義塾大学 SFC(総合政策・環境情報学部) | AO入試で英語エッセイ・英語プレゼン課す場合あり | GIGAプログラムは出願書類を全て英語で提出 |
| 国際基督教大学(ICU) | Essayと面接の一部を英語で実施 | 全学英語教育。Critical Thinkingを英語で測定 |
| 同志社大学 グローバル・コミュニケーション学部 | 英語での志望理由書と面接 | 海外大学への交換留学を前提とする英語重視プログラム |
| 関西学院大学 国際学部 | 面接で一部英語質問あり | 英語運用能力を評価軸に含む総合型選抜 |
| 名古屋大学 G30国際プログラム | 書類・面接ともに英語 | 授業も全て英語、留学生・帰国生対象 |
| 東北大学 FGL(Future Global Leadership) | 出願書類・面接すべて英語 | 研究型大学の国際コース、理系志望も多い |
| 大阪大学 グローバル人材育成特別入試(国際共創学部) | 面接・Essay英語必須 | グローバル共創をテーマに英語思考力を評価 |
| 立教大学 Global Liberal Arts Program(GLAP) | 英語Essay+英語面接 | “Thinking in English”が評価指標 |
| 明治大学 国際日本学部 | AO入試で英語Essayまたは英語プレゼンあり | 英語と日本語のハイブリッドで思考を問う |
| 上智大学・立教大学などの協定校推薦枠(国際系) | 志望理由書を英語で提出 | 海外提携校とのダブルディグリー志望者に必須 |
| 法政大学 グローバル教養学部(GIS) | 英語Essay+面接 | 授業・研究ともに全英語。留学経験者以外も受験可 |
| APU(立命館アジア太平洋大学) | 面接・書類はすべて英語または日本語選択可 | 国内最多の留学生比率を誇る多文化キャンパス |
| 東京国際大学 TIU(E-Track Program) | 英語で出願書類・面接 | 英語のみで卒業可能な国際系プログラム |
| 中央大学 国際経営学部 | 面接で英語質問あり | 英語での発信力を重視した評価基準 |
| 上位私大の総合型・AO選抜 | 面接・プレゼンの一部を英語で実施 | 探究活動や留学経験を英語で説明させる傾向拡大中 |
実施時期予想
| 時期 | 変化の方向性 | 備考 |
|---|---|---|
| 現在(2024〜2025) | 一部国際系・総合型入試で必須 | 早稲田・上智・AIU・立命館など |
| 今後3〜5年 | 総合型・推薦入試の英語要素が一般化 | 面接の一部英語質問など |
| 10年以内 | “英語で思考・発信できること”が高校教育の標準スキル化 | 教科「英語コミュニケーション」・探究英語の融合 |
▶︎ 結論:
✅ 英語での面接・志望理由書・自己表現は、
一部大学ではすでに必須、多くの大学で評価要素として拡大中。
✅ つまり、
「英語で話せる=世界とつながる力」だけでなく、
「英語で自分を語れる=大学・社会で評価される力」
が、これからの入試とキャリアの中心になります。
大学入試が変わり、社会が変わり、働き方が変わる今——
本当に必要とされているのは、
「人とつながり、世界と共に生きる力」 です。
英会話は、単なる語学教育ではありません。
それは、人間力・共創力・国際感覚を育てるための入口であり、
同時に「日本人としての自分」を見つめ直すきっかけにもなります。多文化共生とは、“海外で働くこと”だけを意味しません。
隣に外国人が暮らし、共に地域をつくる時代において、
お互いの文化を尊重しながら、日本の大切さや美徳を自分の言葉で伝えられること——
それが、真の国際理解であり、日本のアイデンティティを確立する力でもあります。中学生・高校生になってから塾で学ぶことももちろん有意義です。
しかし、“小学生からの投資”として最も価値が高いのは、
英会話と人間力の育成です。未来は、“テストで点を取る人”の時代ではなく、
